●ソーシャルネットワークを見てきた。(感想など)
1/28、話題のソーシャルネットワークを見てきたので感想をまとめておく。
・「ソーシャル・ネットワーク - オフィシャルサイト」
・「ソーシャル・ネットワーク (映画) - Wikipedia」
一言でまとめると、「素晴らしい脚本で”現在の成功”を描いた優れた映画だ。
●素晴らしい脚本
主人公、ザッカバーグは天才である。天才であるが故にバランスを欠いている。
決して悪人ではないが、コミュニケーションがうまくとれない。思い込むと一方向に突き進んでしまう。
自分の発言や行動を相手がどう思うかは2の次、3の次に考えてしまう。
そんな彼の性質(性格というより性質)をオープニングでの彼女との会話(5分程度)で描ききってしまう。
彼女との会話で観客はいきなりそれを見せられ唖然とし、映画に引き込まれる。
天才と付き合うのは難しいなと。
矢継ぎ早で、整合性のとれない「会話」(頭が良すぎて会話がなりたたない)。整合性がとれていないにもかかわらず、主人公の正確な姿を観客は理解する。とても高度な脚本だと思う。
●対比
ザッカバークという天才を、彼をとりまく様々な人々との対比によってストリーが組み立てられている
ザッカバーグ VS 彼女
→天才 VS 世間一般
ザッカバーグ VS エドゥアルド・サベリン
→スピード VS 地道
ザッカバーグ VS ショーン・パーカー
→不変 VS 成功におぼれる男
ザッカバーグ VS ウィンクルボス兄弟
→家族の不在・新時代 VS 家族・旧時代
ザッカバーグ VS 弁護士
→自分のルール VS 社会的なルール
すなわち、ザッカバーグが現在の社会規範の”外側”にいることが解る。
●かわらないザッカバーグ
そのため、成功を収めたザッカバーグは”何も変わらない”。
莫大な資産を得ても、垢抜けない服を着、新しい彼女を作るわけではない(それどころか、元カノに未練たらたら)
オフィスは立派になったが、成功前と同じように仕事に打ち込む。
成功→贅沢 という世間のレールにも乗らない。
●成功の芽
これまでの企業人の成功談との差は、これまでの産業がコミュニケーションの上に成り立っているため、成功者はコミュニケーション能力に長けている必要があった。
ネット時代の到来により、その原則が崩れたように思う。
アイデア、それを実現させる能力があればとりあえず成功を芽吹かせることが出来る。
しかし、芽が花を咲かすには、この映画で描かれたように、コレまでと同じように多数の人々が複雑に絡み合う。コミュニケーションという栄養分と水を与えなければならない。
ただ、花が咲くスピードが今までと全く違う。
そのため、アイデアの勢いである程度のところまでいける。そして、勢いだけで進んだのためにいろいろな軋轢が生まれる。
そして、成功者の悲しみがそこに生まれる。
●その他気になった事(結論はなかったりするけれど)
・「日本では”ない”」
1)このような成功が”ない”
何故、日本ではザッカバーグのような成功者が現れないのか?ソフトバンクの孫さん?、楽天の美木谷さん?成功者はいるけれど....なんか違う。何が違うんだろう。
2)「このような映画が”ない”」
まあ、ザッカバーグのような成功者がいないのだから、映画だって”ない”のだが....
主演は地味だし、CGだってない。3Dでもない。それでも、今を捕らえた面白い映画ができる。
だったら、日本でも似たような面白い映画をつくれるだろう...と思うけど、やっぱり作れないよな〜と思えてします。
何でだろう?
・ハーバード大はいろいろ面白い
ハーバード大が舞台であることもこの映画を面白くしているスパイスだ。
ビルゲイツ氏がさらっと講演していたり、歴然たる階級社会だったり、登場人物が五輪にでていたり....
まあ、私の通った大学(いや、どんな日本の大学とも)と別世界。
・家族の不在
ザッカバーグの家族が全く、登場しない。
脚本上の制約からなのか、実生活でもそうなのか、あるいは何かの象徴なのか....
・コミュニケーション能力に欠ける、ザッカバーグがコミュニケーションツールであるフェイスブックで成功するのが面白い。
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